こんばんみ、チャチャです。(ビビる大木….)
「最近、米買った?」
たったこの一言が、ちょっとしたホラー小話の導入になるとは──令和もここまで来たか。
スーパーで値札を見て絶句。「…え?米、5kgで4,500円? うそでしょ?」 かつて1,800円くらいで買えたあの“生活の基礎”が、いまやちょっとした“高級品”。
でも、これは単なる“物価高”の話じゃない。
どこかで誰かがミスって、どこかで誰かが放置して、 今、私たちがそのツケを払わされてるってだけの話。
それって「災害」じゃなくて「人災」って言うんじゃない?
しかも、米の価格が跳ね上がってるこの状況下で、 「米を買ったことがない」と発言して辞任した農水大臣がいたっていうんだから── もうね、シニカルにもほどがあるね。
米買ったことないなら、本気で高いなんて思えない。
だから、絶対に頑張ろうとしないでしょうね。
「米が高い」と感じるのは当然。でもこれ、実はただの値上げじゃない。構造的な崩壊の“序章”なのかもしれないんです。
ニュースでは「猛暑で不作」とか「観光需要で外食が増えた」とか、わかりやすい説明ばかり。でもね、実際にはもっと根が深い。「なぜこの国では、同じ失敗が100年単位で繰り返されるのか」──その答えに近づくには、制度、農業、流通、そして政治の裏側を覗き込む必要があります。
この“令和の米騒動”は、単なる食料価格の話ではなく、国家の劣化を映す鏡かもしれない。
というわけで今回は、評論家気取りで、チャチャが毒スパイスたっぷりにこの騒動を斬っていきます。米の一粒に潜むドラマを、一緒に炊き上げていきましょう。
📚マガジン紹介
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🕰️背景と発端|減反政策の残り香と忘れ去られた危機感
まずは「米騒動」という言葉の歴史から振り返っておきましょう。
●大正時代の「米騒動」(1918年)
富山県の主婦たちによる“米の高騰への抗議”が全国に飛び火。軍隊まで出動し、内閣が総辞職に。
●平成の米騒動(1993年)
冷夏で不作。スーパーからコメが消え、タイ米緊急輸入も“まずい”と酷評。
●そして、令和の米騒動(2024-2025年)
今度は猛暑と干ばつ、そしてインフレと構造の綻びが炸裂。
昔は「コメ余り」で怒られ、今は「コメ足りない」で怒られる。農家も気の毒すぎる。ダブルバインドの極みか。
そして忘れてはならないのが、1970年代から続いた「減反政策(正式名:生産調整政策)」。
戦後の食料不足を経て、1960年代には米の生産が安定。しかし、国民の食生活は「パン」や「肉」「パスタ」などの“洋食化”が進み、徐々にコメ余り現象が発生。
政府は農家に「米を作らないでくれ」とお願いする代わりに、補助金を支払う制度=減反を導入。これにより、日本中で“田んぼの休耕”が広がりました。
農地は宅地や太陽光発電へと転用され、若者の就農意欲はさらに減退。結果的に日本のコメ生産は「維持ではなく、縮小」が前提になった。
さらに問題は、2018年にこの減反政策が廃止された後も、すぐに生産量が戻ることはなかった点。
なぜなら、すでに農地は売られ、農家は離農していたから。今さら「やっぱり米作って」と言われても、できる人がいないという深刻な構造問題です。
しかも2020年代以降は異常気象が常態化。農家は不作のリスクを前提に動かねばならず、「頑張っても赤字」の構造に。
そもそも“減反”ってワード、今の若い人知らないよね?いや、知らなくても当然よ。だって国が「作らない努力に金払う」という矛盾を50年続けてきたんだから。
この歪みが、令和のいま、炊飯器の中で音を立てて噴きこぼれている。
🧑🤝🧑関係者|この騒動の炊飯メンバーたち
今回の米騒動に登場する主要プレイヤーはこちら:
■農林水産省
言わずと知れた「備蓄米の管理人」──なのに、肝心なときに動きが鈍すぎる。放出タイミングのズレ、量の調整ミス、現場の混乱はほぼ“お役所テンプレ”。しかも、トップが「米を買ったことがない」と言い出す始末。そりゃ現場が荒れるわ。
■JA農協
日本最大の農業利権ネットワーク。表向きは「農家の味方」、でも実態は“中抜きキング”。 農家→JA→市場→小売と、米が消費者の手に届くまでにどれだけマージンを吸われてるか──計算するのが怖いレベル。
中抜きって言えばパソナでしょ?……って思ったら、いやいやJAも負けてないからな?笑
JAがなぜここまで影響力を持ち続けられるか。それは「選挙と利権」に直結しているから。特に地方の保守票を握る存在として、自民党との関係性は“ズブズブ”の一言。
■小売業者
価格が跳ね上がっている中でも“できる限り安く”売らなければならない矛盾を背負う。 「消費者の敵」扱いされがちだが、最も“板挟み”になっている存在。
■観光・外食業界
インバウンド需要で米の仕入れを強化。しかも、価格交渉力が強いため、業者は高値でも優先的にそちらへ回す。
■消費者
最終的なツケを払わされる“沈黙の納税者”。気づけば、安くて安全な国産米は遠い存在に。
それぞれが「自分の米は自分で守る」スタイルで立ち回ってるけど、結局誰も“食卓”は守ってないんだよなぁ。
🔍なぜこうなったのか|表の理由と、誰も言わない裏の理由
表と裏っていうけど、日本の米政策って裏の方が本編じゃない?表はいつも“予告編”くらいの情報量。
表の理由:ニュースでもよく聞く「わかりやすい説明」
- 異常気象(2023年の猛暑):
- 日本全国が記録的猛暑に見舞われ、稲が登熟不良に。
- 例年より白未熟粒(しらみじゅくりゅう)の割合が増え、等級が低下。
- 特に東北地方の一等米比率が大幅に落ち、良質なコメが市場から消えた。
- 観光客の回復と外食業界の爆買い:
- コロナ明けで訪日外国人が急増。
- 外食チェーンやホテルが一斉に米の仕入れを強化し、需給バランスが崩壊。
- 海外では「コメ=主食ではない」地域も多く、食材コストとしての価格許容度が高く、高値でも買われた。
- 備蓄米の放出台数とタイミングのズレ:
- 政府は200万トン近い備蓄を持ちながら、実際に市場に出されたのはごく一部。
- 「需給バランスを見極める」として小出しにした結果、需給のひっ迫感が解消されず、買い占め心理を刺激。
- 減反政策の副作用と構造的生産力低下:
- 長年の減反政策によって農地が他用途に転用され、復元が困難に。
- 米作農家の高齢化、離農も進行。
- 後継者不足により、増産しようにも即応できない“筋力のない農業”。
裏の理由:ニュースじゃ言わない“あるある真実”
- 流通構造の複雑さ:
- JAを介した出荷が基本で、自由価格での直販が制限されている地域も。
- 中間業者(集荷・精米・問屋)を経るたびに価格が上乗せされ、消費者価格が異常に高くなる。
- しかも「備蓄米」の一部は業者に優先販売されることで、末端小売に出回りにくい。
- 投機的買い占めと“実需偽装”:
- 一部の大口業者が「実需」として在庫を大量に確保。
- 実際には“棚に出さない”状態で価格吊り上げに加担。
- 「高く売れるから寝かせる」という、不動産と同じノリで米が扱われている現実。
- 政治のショー化とタイミング戦略:
- 政府関係者の発言や備蓄放出のタイミングが、すべて参院選対策に見える。
- 「価格を下げたい」と言いつつ、根本対策はせず“姿勢だけ”をアピール。
- 小泉進次郎氏のような人気先行型政治家が登場することで、話題性はあるが政策の実効性は曖昧。
- “安くて当たり前”文化と産地叩き:
- スーパーでは価格競争のため、産地・農家への買い叩きが常態化。
- 農家はそれでも“売るしかない”状況で利益を削られ、持続可能性が消失。
- いざ需給が崩れると、適正価格すら「高すぎる」と言われる矛盾。
🌏世界と日本の反応|輸入米とプライドの狭間で
プライドが腹を満たしてくれるなら苦労しないよね。こちとら、炊飯器の前でため息つく日々よ。
国産信仰が根強い日本ですが、事ここに至っては輸入米にも注目が集まっています。とはいえ「日本人の米への執着」は、もはや文化と宗教の狭間にあるレベル。
■輸入米の動き
- アメリカのカルローズ米(Calrose rice):
- カリフォルニア産の中粒種で、炊きあがりはややモチ感に欠け、パラッとする食感。
- 現地では「寿司ライス」として輸出されることも多いが、日本人の口には「ちょっと違う」という声も。
- 魚を乗せて食べると違和感が際立つ(シャリには不向き)。
- 一方、チャーハンやピラフなど、油と合わせる料理では高評価も。
- タイ米(インディカ米):
- 平成の米騒動でも緊急輸入されたが、独特の香りと細長さで“まずい”の代名詞にされた苦い過去。
- 実際にはカレーやエスニック料理に最適で、世界的には主流品種。
- 韓国産米:
- 日本と似た品種(ジャポニカ種)を使用しているため、違和感は少ない。
- 価格と品質のバランスが良く、業務用では一部採用が進んでいる。
■海外メディアの反応
- ガーディアン紙:「コメがないニッポン」として備蓄放出のニュースを掲載。
- AP通信:物価上昇と主食不足を絡めた「日本の食卓の危機」と報道。
- 韓国メディア:日本の輸入需要拡大を“商機”として前向きに評価。
■国内の揺れる反応
- 「国産でなければ米じゃない」という根強い価値観が依然として多数派。
- しかし価格の現実を前に、「輸入米でも構わない」という声が若い世代を中心に台頭。
- スーパーでは“国産ブレンド米”に「実は輸入米入り」というケースも増加。
- Twitterでは“カルローズ美味しい派”と“やっぱササニシキ神”派が激突中。
■チャチャのツッコミ
アメリカのカルローズ米? 正直、味はそこまで悪くない。でもね、白米としてそのまま食うには“日本の炊飯ジャー文化”とは合わないのよ。
炊き上がりは「水少なめ炊き込みご飯」って感じで、おにぎりにすると…崩壊します。
要は、用途次第。 「主食=白米」として厳格に定義してる我々には厳しいけど、炒飯ならむしろアリ。
米にも多様性が必要な時代、ってことかもね。
🎭小泉進次郎の登場|で、結局あなた何がしたいの?
キャッチーな構文より、キャッシュで買える米をください。あと進次郎さん、店の前に駐めた高級外車が全部台無しですよ。
令和の米騒動が国民的話題になり始めたちょうどその頃、農林水産大臣として任命されたのが、小泉進次郎氏。言わずと知れた“話題の人”──環境相時代の「ポエム答弁」や“進次郎構文”でネット民のオモチャになったあの人です。
就任早々に打ち出したのが、「米価格5kg3,000円以下を目指す」宣言。会見では「食卓を守る。これは米の問題じゃない、家計の問題だ」と熱弁をふるいました。
…が、現場の声は「言うのはタダだよね?」と冷ややか。
■小泉氏が任命されたワケ
- 自民党の若手看板であり、“知名度”と“話題性”は抜群。
- 2025年夏の参院選を前に、農政分野での“庶民派アピール”が求められていた。
- 「顔がいい、声が通る、でも中身は…」という万能PRマン。
- 安倍・菅・岸田と続いた旧来の派閥力学を回避するための“飛び道具”的起用説も。
■米屋に行って何がしたいの?
- 4月には東京都内の老舗米店を視察。カメラと報道陣を引き連れて、1合ずつ袋詰めされた高級米を手にして「これが現実なんですね」とコメント。
- 現場の店主は「はい、まぁ…」と苦笑い。
- SNSでは「どんな高級車で来た?」「まずはJAに切り込め」「パフォーマンス視察よりも政策を」と辛辣な声が多数。
■やってる感 vs 実効性
- 備蓄米の拡大放出を進める一方で、価格の高止まりには何も手を打てていない。
- 流通構造改革・中間マージンの是正など、根本治療には手が出ていない。
- 会見や街頭視察での“絵作り”は巧みだが、米の値段は一向に下がらない。
■チャチャのツッコミ
あのね、庶民派アピールするなら、
高級外車で個人商店に視察に行くんじゃないよ!
視察よりもまず“視点”を変えてくれって話。
カメラの前で語るんじゃなくて、農家と卸と消費者の“間”をどうするかに手を突っ込んでこそ、あんたの“米の一手”が光るのよ。
米の値段が下がったら、評価してあげる。 今のところは、「おにぎり1個に構文1つ」って感じね。
🍱それでも私たちは食べていく|米高騰時代のリアルライフ
米が高い?じゃあ食わない、とはならない。 食卓から白米を消すわけにはいかない私たちは、それぞれの方法で“生き延びる”術を編み出している。
- オートミールを主食代わりに。牛乳かければ“それっぽい”腹持ち。
- 業務スーパーで5kgのブレンド米を購入。安さ最優先、銘柄には目をつぶる。
- 玄米をまとめ買いして、家族や友人と“シェア炊飯”。
- 冷凍うどんやパスタで主食ローテーション。糖質はもはや戦略。
白米は愛してるけど、財布とは話し合わないといけない。そんな時代よね。
🚜田んぼの向こうで何が起きてるのか?|農家のリアル
消費者は「高い!」と叫ぶ一方で、作り手である農家も「もう無理!」と悲鳴を上げている。
- 「今年は収穫量が落ちたのに、肥料代は上がってて利益ゼロです」
- 「農機具も修理できない。もう“生活”じゃなくて“維持戦”」
- 「後継者がいないので、田んぼを売却。来年は作りません」
- 「補助金もらうには書類地獄。自営業なのに、役所と戦う日々」
米が高いのに、農家が儲かってないって…どこにお金が消えてるのよ。
この“作っても報われない構造”を変えない限り、「国産米で食卓を守る」はただの幻想でしかない。
💬チャチャの視点|お金があるから買えるけど、あの頃なら詰んでた
こないだ「米、高いよね〜」って何気なく言ったら、 友人たちのほとんどが「うちは実家から送ってもらってるからさ〜」とニコニコしてて、 私は何とも言えない表情になったよね。
あの瞬間、食卓に“見えない格差”が並んでた気がしたのよ。
今は、多少高くても買える。それは、なんとか生活に余裕があるから。心の余裕じゃなくて、ただの数字上の話。
でも、20代前半──大学出て、手取り18万円以下で一人暮らししてた頃にこの物価直撃してたら?
詰んでた。完全に。
毎月の食費を削って米で凌いでたあの頃。1,800円で買えてた米が今は4,500円って、それ“食のセーフティネット”崩壊やん。
「食べられる=生きられる」なんだよ、まじで。
昔は「安い米に感謝」してたけど、今は「買える自分に感謝」してる。この感情の変化、なかなかに歪んでて面白いよね。
でも、もっと大事なことを言わせて。
今、“詰んでる”のは過去の自分じゃない。 今を生きる誰かなんだよね。
非正規で働くシングルマザー、仕送り頼りの学生、物価高に喘ぐ高齢者。 「米を買う」って、そんなに贅沢な行為だったか?って話。
で、そんな現実があるのに──
米を炊いたこともなければ、買ったことすらないような人が“食卓を守る”って言い出すからもう喜劇なのよ。
政治って、誰のためにあるのか。 せめて、今日“米が買えなかった人”のために使われてほしいよね。
✅総まとめ|誰の“炊き加減”でこうなった?
国民は“おかず減らす”で対応してるけど、政治は“言い訳増やす”で対応してるあたり、噛み合ってないのが味わい深い。
- 異常気象は引き金。でも本質は制度疲労と政治の怠慢。
- 米という日常インフラが、静かに壊れている。
- 日本人の主食が贅沢品になる日が来るなんて、笑えない。
最後に一言。
「コメ騒動が終わる頃には、財布の中も軽くなって、体重も落ちてるって?──それ、ダイエットじゃなくて経済崩壊だからな?」
次回も、「社会のほつれ目」を解体してお届けします。
チャチャでした。
🔗参考リンク
- Reuters|Japan minister wants rice shelves under 3,000 yen
- AP News|Rice shock in Japan
- BBC|農相「米買ったことない」発言で辞任
- CIGS|コメ高騰の背景にある政策と流通の問題
- 東洋経済|備蓄米を放出したのに高すぎる…
- The Guardian|Japan releases 200,000 tonnes of emergency rice stockpile as prices soar
- 日経新聞|農業従事者の減少と農地の転用問題
- 農林水産省|米政策の変遷と減反制度の廃止について
- NHK|米の価格高騰で生活への影響広がる
- 農業協同組合新聞|JAグループと米流通構造の課題
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